※この文章は、暗号解読をするかJavaScriptを解除して、コピーを図った場合に表示されます。 |
あなたのすべてを味わいたいの。 そして私のすべてを食べて。 脚も指も、睫毛も髪も。 蜜のように甘くて、とろけそう。 セックスって、おいしい。 −蜜− 「ん…ん…んン、」 唇が本能のままに動いていた。あなたが愛しいと。 「…あぁ…あ…」 震える声を耳に聞いて舌を這わせていた。あなたが欲しいと。 快楽によがって突きあがり、苦しそうに怒張する彼が堪らなくいじらしい。甘美にうち震え、切なげに白濁を漏らす彼が堪らなくいとおしい。 アリーナは舌先でそれを玩んでは咽喉元まで含み、温かい唾液で抱き寄せながら、もどかしい刺激を絶え間なく送っていた。 「…ぁ…ぁぁ、っ…」 頭上では、彼が声にならない悲鳴を挙げている。アリーナの大好きな唇が、今愛している彼自身と同様に温い吐息を漏らしていた。 熱っぽい瞳は淫靡に揺らいで、下半身の淫戯を虚ろに眺めている。それとも彼の色気あるこの視線は、今の官能に貪り縋りついているのか。 「クリフト、気持ちいい?」 足元に蹲っていたアリーナが、髪を掻きあげてクリフトをうかがった。痛いくらいに張り詰めたそれを口に含みながら、囁くように言葉を吐く。唇と舌が、屹立の先端で遊ぶように柔らかく動いた。 「…ぁ、ぁっ」 恥らうようにしどけなく開いて涎を滴らせる鈴口を、アリーナは尖らせた舌で滑る。それに合わせてクリフトの身体がピクンと震える。 「…かわいい」 「…、」 痴態を露にさせられて、悔しそうにクリフトは口を噤んでいた。 熱を帯びた色っぽい瞳で睨まれて、アリーナは「こわくないよ」とばかりに口元を弛めて微笑む。 「ねぇ、頂戴」 舌先で誘うように彼自身を抱えながら、アリーナは上目に挑発していた。 「…アリーナ様…」 「あなたを頂戴」 送られる刺激も、注がれる視線も。何もかもが全身を痺れさせていく。 クリフトは、甘い蜜の中に身を沈められたかのような浮遊感を味わう。理性が狂って淫らな支配欲が疼いてくる。足元に座り、己の芯に悶えるほどの官能を送る彼女に、全てを注ぎ込みたくなる。 「アリーナ様、」 クリフトは、行き場を失い彷徨っていた手で彼女の頬に触れ、瞳を辿り、髪に触れた。 「…宜しいのですか?」 これが最後の理性。 低く美しい声に、アリーナがゾクリとする。彼が辛うじて繋ぎとめていた僅かな自我の声も姿も、彼女にとっては猛狂う前の淫らな雄でしかない。 しばし彼の姿を堪能したアリーナが、上目に微笑して返事をした瞬間、クリフトの大きな手が添えられた自分の唇は、どうしようもなく彼を貪り吸い尽くしていた。 「っん…ん…、…ん、ん、ん、ん」 熱くなった芯を宥めるように、しかしそれでいて猛りを促すように。左右の指も上下の唇も、温い体液を絡ませて絶え間なく動く。 抱き寄せるように絡まる舌が、細かに動いて彼の蜜を掬い取るのは、何ゆえか。 「…は…っ…はっ…、」 それは彼の羞恥心に歪む恍惚の顔にもまして、昂ぶりの後に放たれるものを欲しがっているからか。 既に手の中は唾液と体液が交じり合って、生ぬるい水音を立てている。クリフトの荒い呼吸を伴って、卑猥な音と音に空気が密になる。 「…ぁっ…!」 クリフトの顎がビクンと上がった。 彼の全身を貫くように疾走した官能の刺激は、怒涛のごとく中心へと押し寄せ、アリーナの唇へと注ぎ込まれる。 「あ…ん…んん、」 アリーナは咥内でそれを受け止めて、抱き寄せるように咽喉に流した。 深く瞼を閉ざして長い睫毛を震わし、己の火照りを昇華するように肢体はくったりとベッドに預けられる。恥辱と快楽と歪んだ眉が、次第に美しいものへと解かれていく。 下半身の緊張は、全て吐き出し終えると弱くなってきた。最後の一滴を飲み干して、アリーナはクリフトのその姿を見つめると、愛おしそうに甘い声で呟いた。 「おいしい」 これが「あなた」のいうひとの味。 私を愛してくれる証拠の味。 なんて不思議に甘いんだろう。 「…お返しをさせて頂きますよ」 仕返しなのか、お礼なのかはどうでも良いこと。 クリフトは熱っぽい吐息をひとつつくと、得意げな顔で微笑んでいた彼女をベッドに押し倒し、柔らかな太腿を割って手を滑らせた。 「やっ…、クリフト…」 咄嗟に慌てたアリーナの驚いた表情は、既に色気が溢れていた。 「…何故?」 薄笑いを浮かべるクリフトは非常に艶かしい。 「そんな、いきなり…」 「貴女こそ、不意打ちだったではありませんか」 艶っぽい流し目は優しさや憂いを含んでいても、指先はその逆だった。クリフトの手指は執拗に肌を堪能し、閉じられた膝を掻い潜って既に濡れているそこを探っている。 「あっ…」 指が動く度にアリーナのしなやかな四肢がピクンと跳ねて反応する。クリフトの長く節ばった細い指は溢れる泉を遊びながら、彼女の形をなぞるように探索を続ける。 「…っやん!」 指の腹が敏感な蕾を押し開き、指にその蜜を絡めとる。 「あん…やぁ…クリフト…」 「…イヤですか?」 クリフトは濡れた指をゆっくりと己の口元に運んで、深々と舐めて彼女の蜜を味わった。 「イヤですか」 恍惚に眉を顰めるアリーナの表情を堪能するクリフトの微笑は、息を飲むほど美しい。少々に意地悪く見えるその悪戯な微笑みは、アリーナを惹きつけて放さない。 「…ううん…」 アリーナは恥ずかしそうに首を振って、自分の愛液で濡れたクリフトの唇を覆うように吸った。荒い口付けを交わしながら、彼女は消え入りそうな声で彼に囁く。 “もっとして” 耳元で擽るような甘い声が掠めた。 この瞬間、クリフトの身体がドクンと高鳴る。その奥芯が波打つ。 身体中はおろか、脳内までが熱くなって暴走を始める。 「アリーナ様」 クリフトは己の指が溢れさせた蜜の泉に導かれると、しなやかな脚を両腕で押し開いてそこを露にした。 「やっ!…ぁん、クリフトッ」 脚を割られて秘部を曝されたアリーナは羞恥心に身をくねらせた。脚を閉じようとする弱々しい彼女の抵抗を、クリフトは笑顔で制する。彼女の膝を手で押さえ、その間に顔を埋めてしっとりと薫る甘露を堪能した。 「あんっ!あっ!」 切ない喘ぎ声。 彼女の身体を弾くように漏れ出るその淫猥な声は、今はクリフトを昂ぶらせる誘淫剤でしかない。 クリフトは愛液に濡れそぼつアリーナの泉に舌を絡め、甘い蜜を吸い、熟れた蕾を玩びながら唾液を絡めた。耳を擽るような淫靡な音を発して、何度も何度も舌先での愛撫を繰り返す。 丹念に愛されたそこはとめどなく涎を垂らし、今や太腿まで温い湿りを滴らせている。 「あ…あぁ…あ…ん、」 快楽より逃げているのか、更なる官能を誘い出しているのか。アリーナの腰はゆらゆらと揺れていた。 もはや力を失った脚は頼りなくベッドに投げ出され、クリフトが制御せずとも開き曝され、痴態を見せている。脚の抵抗を感じなくなったクリフトは、片足の膝裏に手を滑らせて脚を抱え、彼女の秘窪を更に片手で探り出した。 「ぁっ…ぁぁっ!クリフト…、やっ、」 「アリーナ様」 「クリフト、クリ、フ、ト…」 「アリーナ様」 忘我の表情で、浮かされたように名前を呼ぶアリーナの声を耳に、クリフトは舌を這わせながら応えていた。 「クリフト…欲しい…欲しいよ…」 顎を突き上げて身をくねらせていたアリーナが伏し目にクリフトを見つめる。美しい雫に濡れた瞳はクリフトの疼く芯をとらえていた。 先程、欲望を吐き出したクリフトは、再びアリーナによって張り出していた。空を突き上げて彷徨っていたそれを、アリーナは物欲しそうに見つめていた。 「…アリーナ様…私も貴女が欲しい…」 口元を彼女の愛液で滴らせたクリフトが、顔を上げておもむろに言った。 愛する人と身体を重ねる。愛しい人の中に侵入って、自分自身を抱きしめられる。 「あぁ…」 いつになっても、何度行為を重ねても、この瞬間の心の震えが色褪せることはない。 クリフトはアリーナの温かさの中に入り、温い膜に包まれて抱かれる。アリーナは自身の中に分け入ってくるクリフトの膨らんだ存在を受け止めて感じる。 「あぁぁ…クリフト…」 ほとばしる熱い欲情のままにクリフトは自身を送り出し、アリーナの中を貫いた。 「アリーナ様…」 クリフトを抱きしめて放さないのは、彼女の腕だけではない。今や彼女の肉襞はきつく縋り付いて搾りだそうとしている。うねりと共に己を飲み込んで深い快楽へと誘い込んでいく。 みっちりと納まった二人を、彼は本能のままに動いて更なる刺激を送り出していた。そうして抽挿を繰り返す度にアリーナの膣道はきつく締まり、クリフトは更に怒張を大きくさせる。 「あぁ…はぁ…ん、ぁん、んっ…」 「…ぁ…っ、…っ、っ…」 蜜は既に太腿を流れ、淫らな銀糸を脚に残している。溢れて弾ける互いの愛液の構わず、クリフトはアリーナを激しく突いて追い上げる。 「クリフト…ッ、すごいよ…ぅ…」 荒々しい呼吸の合間を縫って、アリーナの哀願がクリフトを急き立てる。 何度も何度も腰を揺すって彼女の中を味わう。貫かれる度にアリーナもまた疼く彼の存在を味わう。 甘くて、痺れそうで。溶け出して、絡み合う。 「んんん…っっ、っあぁぁ…」 「アリーナ様」 指を絡めて繋ぎあう。唇を重ねて求め合う。 これはなんという味だろう。互いの唾液を唇で、愛液を性器で感じて、昂ぶる身体を委ねあう。二人で昇りつめる絶頂に、官能が溶け出していく。 「あんっ…っっ!クリフト…ッッッ!!!」 「アリーナ様…っ…!」 アリーナの全身が震えてクリフトを抱きしめた瞬間、クリフトが大きく波打つ。白い奔流を走らせてアリーナを満たした。 「…っは…ぁ…」 「あぁ…クリフト…」 身体中にじんわりと染み出すようなクリフトの熱い精。 アリーナは自身の中心に放たれたそれを愛おしく反芻すると、目の前に美しく佇むクリフトに柔らかなキスをした。 「…愛してる」 あなたのすべてが愛しいの。 だから私のすべてで愛したい。 唇も瞳も、耳も何もかも。 蜜のように甘くて、とろけそう。 あなたって、おいしい。 セックスって、おいしい。 −蜜− |
【オトナのあとがき】 あれは旨いか不味いかではなく、おいしさ(愛しさ)の問題です。 |