書き手の人間性を疑う。
暁!氷結クリフト
第8弾 「ガンガンいこうぜ」
クリフトが効かないザキを連発するので、堪りかねたソロは彼を馬車に押し込み、代わりに攻守のバランスがとれたミネアを採用することにしました。
「あら、クリフトも馬車組?」
「……はい」
馬車の中には先ほどまで果敢に戦っていたアリーナ姫が、ガックリと項垂れた神官を笑顔で迎えます。ライアンと交代した彼女は、今治ったばかりの傷を擦りながら休んでいたらしく、クリフトはそんな彼女の隣に座ってさりげなく恋人位置をキープすると、麗顔をにへらと崩して喜びました。
「作戦が変わったみたいね」
アリーナ姫の声につられてクリフトも馬車の中から顔を出し、モンスターと戦うメンバーを見てみます。
クリフトの離脱直前まで「いのちだいじに」だった作戦も、今は「ガンガンいこうぜ」になっている模様。ライアンは豪腕を奮って敵を薙ぎ倒し、ミネアもブライも消費MPの高い呪文を連発しながら派手に戦っています。
「あぁ〜! 私もガンガンいきたいわ〜!」
血湧き肉踊るのか、アリーナ姫は拳を握り締めながら、羨ましそうにスタメンパーティーの戦いを眺めていました。
すると、
「ひ、姫様! ガンガンいって宜しいのですか!」
「な、なに、クリフト」
なんか隣の人が急に騒ぎ出したんですけど。
「私は、はじめてのご命令は「やさしくしてね」かと思っておりましたが、姫様がそのようなハードプレイをお望みとあれば、この不肖クリフトッ!」
ほとばしる鼻血がアリーナ姫の美しい顔に飛び散りそうな距離で、クリフトは興奮して言います。
「命燃え尽きるまで! ガンガンいかせて頂きます! ぶはぁ!!」
「きゃー!」
欲情したクリフトがアリーナ姫を襲い、馬車が大きく揺れたその時、
「貴様の命が尽きるまで、ガンガン凍らせ続けてやるわァッッッ!!!」
「これでもかっ! これでもかぁっ!」
まるで狂気に満ちたように、老魔法使いが氷柱を二重にも三重にも堆くしていく有様を、勇者ソロほか旅の仲間達は息を呑んで眺めていたということです。
哀れ、氷結クリフト。
まさに「狂戦士の魂」
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