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更に深くなりました。
ここは「氷結クリフト」地下3階です。暗いです。
地下2階と同様に精神的に末期状態の神官しか居ません。
「勘弁してくれ」という方はMPのあるうちにリレミトを。
 

 
氷結クリフト・第拾壱 「プライド、男祭り」
 
 今日は大晦日です。今や年越しに欠かせないのが格闘技。当然アリーナ姫も注目の対戦カードは見逃しません。
「最近は総合格闘技が人気ね」
「そうですね」
 流石は武闘家アリーナ姫。真剣に試合を観ています。クリフトはそんな愛しの姫君に、年末の必須アイテム・みかんを手渡しながら相槌をしました。
「異種格闘技、無差別級……魅力的だわー」
 猛々しい禽獣の如き男(漢)たちが汗と肉をぶつけ合って戦っています。片方はマウントポジションで一気に優勢になり、強烈なパンチを相手に振り下ろしています。アリーナはうっとりとしていました。
「そうですね……って、はぁっ!!!」
 クリフトがコタツから勢いよく飛び上がりました。
「ど、どうしたの(汗)」
「姫様。」
 クリフトが正座してアリーナ姫の前で姿勢を正しました。
「どうかこのクリフトを練習台として、」
「え?」
「どうぞ馬乗りになるなり、手足を絡めて技の研究をしてくださいませ」
 瞳をキラキラと輝かせた神官の両の鼻腔からは(まだ何もしていないのに)鮮血が滴っています。神官クリフト、格闘技を騙ってイケナイ想像をしています。
「私とて寝技ではアリーナ様の全て思い通りには――
 
「厳かな年末にまで何やらかしとるんじゃボケ神官がぁッ!!」

ブライはヒャダインを唱えた!!!

「お前などに新年は来んわぁ!」
 そう言って老魔術師が「ゆく年くる年」にチャンネルを変えた傍には、氷の人型オブジェ(しに状態)が出来上がっていました。
「姫様。年越しはNHKでございます」
「えー」
 
 哀れ、氷結クリフト。
 
 
 
 

 
氷結クリフト・第拾弐 「産めよ、増やせよ、地に満てよ」
 
 先日テンペの村を訪れた時は村長の一人娘であるニーナさんが妊娠していたのですが、今回久しぶりに訪れると彼女の赤ちゃんが生まれていました。
「かわいいー!!!」
 アリーナ姫は嬉しそうにニーナさんの赤ちゃんを抱いています。
「か、かわいいですね」
 クリフトが恐る恐る触れようとすると、赤ちゃんは彼の指をキュッと握り締めました。クリフトは胸がキュン☆となりました。
「赤ちゃん、かわいいねー」
「はい」
 ニコニコ笑顔のアリーナ姫は、なんと可愛らしい表情で赤ちゃんを抱いているのでしょうか。クリフトは感動しながら、腕の中の赤ちゃんに注がれるアリーナ姫の優しい眼差しにドッキドキです。
「いいなー」
「え? ひ、姫様……赤ちゃん、ほ、欲しいですか?」
「うんっ! 欲しいー!!!」
 クリフトはアリーナ姫の肩を掴み、思い切って言いました。
「ならば早!速! 私が姫様に愛のプレゼントをお捧げします」
「なに、クリフト?」
「あちらの宿にまいりましょう」
 クリフトは鼻息荒くアリーナ姫の背中をグイグイ押しました。
 
「この淫乱野郎がァァァァッッッッ!」

ブライはマヒャドを唱えた!!!

「姫様が何も知らないと知って狼藉をはたらこうなど、ワシが許さんわ!」
 地獄の魔導師がそう吐き捨てた後、テンペの村の中央にそれはそれは輝かしい氷の人柱が出来上がりました。
「おや。赤ちゃんが泣いてしまいましたな。おーよしよし」
「ブライ……
 
 哀れ、氷結クリフト。
 
 
 
 

 
燃焼クリフト・第拾参 「M字開脚」
 
「きゃあっ」
 モンスターがアリーナ姫を攻撃すると、盾が装備できないアリーナ姫はふき飛ばされてしまいました。地面に叩きつけられたアリーナ姫は悔しそうに膝をつき、モンスターを睨みます。
「このー!」
「姫様っ!」
 クリフトが物凄い形相で駆け寄ってきました。やっぱり姫様第一主義者の神官クリフト、ここは真っ先に回復呪文(しかも常にベホマ)かと思えば。
「もうちょっとココを、こう、ですね」
「ク、クリフト?」
 地に横たわるアリーナ姫の手足を微妙に動かし、真剣に何かを考えている様子です。
「手はこう。お帽子は被ったままで、破れたタイツのおみ脚をこう、チラリ……
 サクサクと、それは手際よく。
『魔物に襲われて大ピンチの姫様(萌)』を演出しているようです。
「出来たっ! あぁ何と……何と素晴らしい光景ッッッ!!!」
 瞳を輝かせてクリフトが喜び叫びます。
「クリフト(回復してよ)」
「あ、もうちょっと見つめる瞳は詰るように、色気を含んでイヤらしくですね」
 妄想神官が更に凄みを増して指導を加えようとしたとき。
 
「変態神官にはオトメの制裁よッッッッ!!!」 

マーニャはメラミを唱えた!!!

 クリフトは燃え盛る火炎に包まれました。
「あんた、もうちょっとモノ知ってたら良いんだけど……
 マーニャは頭を抱えてアリーナ姫を助けに来ました。
「クリフト、炭になっちゃったけど」
 
 哀れ、備長炭クリフト。
 
 
 
 

 
氷結クリフト・第拾四 「目覚ましクリフト」
 
「姫様、もう朝ですよ」
 いつもは朝一番に起きてくるアリーナ姫も今日は寝坊でしょうか。
 クリフトは「仕方ありませんねぇ」と言いながらも、内心は非常にドキドキしながら彼女の部屋へとやってきました。
「起きてください。姫様」
「うーん」
 アリーナ姫には珍しく、昨日はヘビー級タイトルマッチを見て夜更かしをしたせいで反応が鈍くなっています。
「もう少し眠らせて……
 頼りない声で、朧げに眉をひそめて寝返りを打ったアリーナ姫はとても可愛らしく、クリフトは危うく心臓発作を起こしそうになる程の動揺に襲われました。
「ひ、姫様」
 嗚呼なんてキュートな寝顔なんだろう! とクリフトは悶絶しました。(窒息寸前)
「で、では」
 クリフトはいそいそと靴を脱ぎ始めました。
「もう少しだけお眠りくださいませ」
 ……あれ? 服も脱ぎ始めているようですが。
「クリフトもお供いたします。姫様の夢の中にどうか私も……
 なにやら意味不明の言葉を呟いて、モソモソとアリーナ姫のベッドへ入ったところ、
 
「この馬鹿たれ神官が何処に入っておるかァァァ!!!」

ブライはヒャドを唱えた!!!

「二度と目覚めるでないわぁっ!!!」
 老魔術師が部屋に入る頃には、アリーナ姫が気持ちよく眠る隣に美しい氷柱が出来上がっていました。
「姫様もいい加減、目を覚ましてくだされ」
 それが睡眠のことなのか選んだ男の方なのかは、ブライのみぞ知る。
 
 哀れ、氷結クリフト。
 
 
 
 

 
氷結クリフト・第拾伍 「飼われたい」
 
「ブライのケチ! 意地悪!」
「いいえ、姫様。これは意地悪で言っているのではありませぬ」
 只今アリーナ姫は、路地に捨てられた子犬を飼いたいと駄々をこねています。「旅には足手まとい」とブライは許しませんが、それもそうです。犬はエサを与えなくてはなりませんし、旅を終えても一生の面倒を見なくてはならないのです。可愛いだけでは連れて行くことなど出来ません。
「かわいそうだよー」
「いいえ、我々と旅をする方が可哀相ですな」
「ぶー!」
 アリーナ姫は可愛らしい頬を一生懸命に膨らませて怒気を現しましたが、ブライには効果がない様子。
 両者の間でまごまごしていたクリフトは、「!」と何か閃いたようです。
「姫様! 犬が飼いたいのであれば」
 クリフトはその場に膝をついてアリーナ姫に言いました。
「この私が姫様の犬になります!!」
「えっ!?」
 クリフトは両手を胸の前に掲げ、犬の真似をし始めました。
「私であれば散歩もエサの心配も要りません。
ご命令通り姫様にご奉仕させて頂きます!」
 クリフトは今、アリーナ姫に飼われた自分が、犬のように「オアズケ」や「お手」をする姿をムラムラと妄想しています。「チンチン」と命令された日にはどうしようかと思うと、自然と鼻から生温い血が出てくるのでした。
「あっでも、首輪は買ってくださいね」
 ニッコリとクリフトが上目にアリーナ姫を見つめたとき。
 
「末期神官は黙って成仏しろォォォォッッッ!!!」

ブライはヒャダインを唱えた!!!

「ヒトにも犬にも迷惑な阿呆めが!」
 ブライ老がそう言って路地を背にしたあとには、おぞましい程に聳え立つ氷柱が立っていました。
「この子犬は宿の者に相談してみますかな」
「う、うん……
 
 哀れ、氷結クリフト。
 
 
 
 

【氷結コメント】 もうそろそろ疲れてきました?
まぁまぁ、そんな事を言わずに。
まだ地下があるので(あんのかい)、ささ、どうぞ。
 
 
 
 
このクリフト、生命の枯れるまで進むのみです。(地下4階へ)
……………………。もう……イヤです。(クリアリ書庫へ)
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