まだ3階です。
続・氷結クリフト
その参 「まるでハムレット」
「てや! あちょー!」
今回はちょっと強敵なのか、アリーナ姫の会心の一撃が何度も出たのになかなか倒れない中ボスモンスターです。
「もう少し! もう少しです!」
馬車組のクリフトは、鬼神の如き無双ぶりを発揮するアリーナ姫の戦闘を、身を乗り出して見つめていました。
既に勇者達のHPは瀕死。頼みの綱は彼女に握られています。
前衛が倒れてしまえば馬車組が続かなくてはならない、まさに手に汗握る展開というとき、
「あぁっ! もう少しで見える!」
クリフトは馬車から地を這うようなアングルで飛び出してきました。
「ボーダー柄のおぱんつか! それとも水玉のおぱんつか!」
どうやらアリーナ姫のスカートがヒラヒラと舞うたびに、彼女の下着が見えないか凝視しているらしく。
「ちょ、お前こんな時に何やってるんだよ!」
膝をついていた勇者ソロが「代われ」とばかり怒って言いました。アリーナ姫のスカートを覗いているくらいなら、こちらにホイミのひとつでもかけて欲しいものです。
するとクリフトは、彼の声を消すが如く黒い霧を発しました。
「しましまか、つぶつぶか、それが問題なのです!」(くわっ)
彼のエロパワーに勇者ソロは死んでしまいました。
「パンチラ、それは男のロマン! 絶対領域から繰り出される会心の一撃ッ!」
既に死んでしまった勇者に諭すようクリフトは言うと、鼻息荒くほふく前進をして、更に見えやすい位置に移動しました。
彼はまるで噴水のように鼻血を出しながら、戦闘中のアリーナ姫の下へにじり寄ります。
「い、いちご柄も許容範囲かとッ!」(ハァハァ)
「姫様はタイツじゃー! 見える筈なかろうがこの色ボケ神官がアァアッッッ!」
「戦況を悪化させおって、クソ坊主め!」
「ニ、ニーハイ(ソックス)ではなかったのか……がくっ」(死)
クリフトは氷柱となる直前にそのようなセリフを吐くと、生きる気力を失いながら凍ってしまいました。
アリーナ姫は眼前の敵で精一杯だったので、後方で何(氷結)が起きたのか分からないまま、一人でバトルを制したのでした。
哀れ、氷結クリフト。
クマさん柄も可。
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