クリフトのザラキーマのかっこ良さは異常。
魁!氷結クリフト
第17幕 「僧侶のステータス」(2)
またしてもクリフトは積年の夢であったザラキーマを覚えました。
(またかよ)
今度こそ覚えました。教会に行って記録もしてまいりました。
「これで僧侶として負い目なく姫様と向かい合える!」
今までは同じ僧侶系のミネアに聖風(バギ)系魔法を担当されたお陰で、攻撃呪文が確率要素のザキ・ザラキのみだったクリフトには「おまえイラネ」的風潮があり、しかも彼が究極昇天呪文を使えないことは、多くのドラクエファンの間でウワサになっておりました。
「あぁ、きっと姫様も認めてくださるに違いない! 遂に!」
教会に行った帰り道、スキップをして宿屋へと戻るクリフト。
彼の脳内では、次々と敵を消し去る己の雄姿に惚れたアリーナ姫が、うっとりと称賛を与えてくれるという幸福をこと細かに想像しています。
妄想<以下妄想>
妄想「クリフトったら、いつの間にこんな逞しくなって……」(うっとり)
妄想「全ては姫様の為でございます」(きりり)
妄想「私、貴方になら は じ め て をあげてもいいわ。うふ」
妄想「姫様そのような事は」
妄想「クリフト! 私も貴方で 昇 天 させてっ!」(抱きつき)
妄想「あぁ、いけません、こんな事」
妄想「愛してるわっ」
妄想「ひっ、ひひひ姫様――あぁんッ!」
妄想<ほとばしる妄想>
「あぁっ! 姫様、そのような……っ!」(クネクネ)
そうしてクリフトが自らの妄想で 悶 絶 & 昇 天 しかけたその時、
「ロザリー。やはり人間とは滅ぼすべきものかもしれぬ」
もう、根こそぎ。根絶やしに。
「ピサロ様?」
宿屋へと戻ってきたのは苦悩に満ちた元・魔王。ちょっとお疲れ気味のよう。
残念ながらあの神官は二度と宿屋に帰ることなく、荒野に魂を彷徨わせるのでした。
哀れ、昇天クリフト。
さまようたましい 「オオオオーン」
|
|