早くライアンを仲間にしましょう。
氷結クリフトの冒険
LV.14 「海辺の村」(TAKE2)
「さぁー! 泳ぐよ泳ぐよ!」
導かれし者達一行は、またまた海辺のバカンスにやってきました。
心地よい潮風に束ねた亜麻色の髪をなびかせ、アリーナ姫は透き通る美肌を太陽の下で輝かせます。
「あ、クリフト。日焼け止め用意してくれた?」
振り向いた彼女の可愛らしい水着姿に興奮したクリフトは、鼻にティッシュを詰めながら答えました。
「勿論です」
クリフトは懐から小ビンを取り出すと、早く泳ぎたいとウズウズしている彼女の前に差し出します。
日焼け止め、なんでしょうか。
「不肖クリフト、姫様のお身体に塗るものは厳選しております」
「なぁに?」
「こちらはお肌にも優しく、そして口に入っても平気です」
口に入っても?
やや艶かしい小ビンの蓋を開けたクリフトは、その口からトロリと液を垂らすと、彼の掌にねっとりと糸を引いて落ちました。
「なんかトロトロしてない?」
「これが姫様に負担をかけさせないのです」
日焼け止めってこんなだったかしら? てか負担って何。
不思議そうな視線でクリフトの手の液体を見つめるアリーナ姫に興奮してきたのか、クリフトは鼻息を荒くして妄想を膨らませます。
「さぁ姫様。クリフトめにお任せください!」
鼻につめたティッシュは既に真っ赤になり、彼の荒い息がそれをも噴き出してしまいそう。
「ひ、姫様も私の指でトロトロになって――」
「あら、突然突風が」
「ミネア姉さま」
「さぁアリーナ。泳ぎましょう」
まるで奪うようにアリーナ姫の手を取って海へと向かった占い師の背中には、かまいたちとも思えぬほどズタズタに切り刻まれた神官が砂の風に消えていくのでした。
ミネア姉さま初登場。
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