階段を上がっていくなんて魔界塔士みたい。
(すいませんSaGaネタです)
続・氷結クリフト
その壱拾弐 「休む暇なし」
「あれ、石鹸がない」
ここは浴室。シャンプーを終えて髪を束ねたアリーナ姫はスポンジに水を含ませたところで石鹸をきらしていることに気付きました。
「ミネア姉さま〜、石鹸取って〜」
確か同室のミネアが居た筈だと浴室の扉ごしに彼女を呼んでみれば、
「はい! こちらにっ!!」
「キャー!!」(叫)
風呂場の扉をガラリと開けたのは、手ぬぐい一枚で正座するクリフト。
「こんな事もあろうかと、不肖クリフト! 石鹸をご用意しておりました!」
まさかの全裸待機です。
「きゃー!」
彼は既に泡立てた石鹸(もっこもこ)を差し出し、驚き慌てるアリーナ姫にも構わず、鼻腔から噴水のように鼻血を出しながら言います。
「妻は夫の背中流しと言いますが、私は姫様のお背中のみならず、ぜっぜぜ全身を洗わせて頂きます!」
「もうイヤー!」
アリーナ姫は彼の変態ぶりにただ叫ぶしかありません。
「私の身体で丹精込めて! ねっとりとハァハァ!」
「キャー!」
そうしてクリフトが泡立てた石鹸と自らの肉体(素っ裸)を鼻息荒く差し出した時、
「貴様の汚れきった脳内を洗ってやる! そこに直れェェェッッ!」
「姫様、石鹸でございます」
氷の魔術師は風呂場に巨大な氷のオブジェを作り終えると、手に持っていた新しい石鹸をアリーナ姫に手渡しましたが、
「ブライも出てって!!」
当然の如く、叱られました。
哀れ、氷結クリフト。
この臣下たちはさぁ。
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