15階です。そろそろ空気が薄い。
(ぐったり)
続・氷結クリフト
その壱拾伍 「おいしそう」
「姫様、こんな所で眠られてはお風邪を召します」
「、うーん」
旅の安息日。
食事を終えた後、宿の一室で仲間との会話を楽しんでいたアリーナ姫は、夜になってウトウトとし出すと、そのままソファでまどろんでしまいました。
それを見たメンバー達も時計を見て解散し、クリフトは彼女を自室のベッドまで送り届ける為に、まずは本人を起こそうと肩を揺するのですが、
「zzz」
「お、起きてくださらないのですね」
クリフトはガックリ項垂れるかと思いきや、逆に彼女の寝姿に欲情して言いました。
「姫様。これが据え膳というものでしょうか」(ムラムラ)
「zzz」
柔らかい唇をうっすらと開けて寝息を吐くアリーナ姫に、クリフトは次第に鼻息を荒くさせていきます。
「食わねば武士の恥とは申しますが、それは神官とて同じ!」
いや、神官はマズいでしょう。
「寝込みを襲うのは気が引けますが、シチュ的にはアリかと!」
自分で勝手に結論付けるクリフトは、既に鼻血をMAXモードにさせ、目の前に横になるアリーナ姫の身体に手をワキワキと伸ばし始めていました。
この人、いつの間にか服を脱いでいるんですけど。
「あぁ、姫様ったら、すやすやとお眠りになられて」
「zzz」
「このクリフトがもっと夢心地にして差し上げますから!」
無反応のアリーナ姫の寝顔に、裸のクリフトがハァハァとにじり寄ったその時、
「ドグサレめが、消えうせろ!」
「四六時中サカりおって! この色ガキめが!」
そうして老魔術師がモザイク処理なしの氷柱(しに)を置いて去った後には、毛布の掛けられたアリーナ姫が平和な寝顔を見せて横たわっているのでした。
哀れ、氷結クリフト。
そこは勿論「ルパン脱ぎ」。
|
|