18階まで来ました。
続・氷結クリフト
その壱拾八 「ぱふぱふ屋(1)」
モンバーバラの酒場の2階は、セクシーな女の子と仲良くなれるヒミツの場所があります。
「あら、こんなに大勢はお姉さんもお相手できないわ。うふん」
その一室でベッドに横たわっていた巨乳のお姉さんは、勇者一行にヒラヒラと手を振って追い返します。
「くそう。あとで一人で行ってやる!」
ソロが拳を握り締めながら気合を入れて踵を返すと、その後ろに控えていたクリフトが言いました。
「ここは早く帰るべきですね」
「そうじゃ。姫様をこんないかがわしい所にお連れしてはなりませぬ」
サントハイムの家臣たちが口を揃えてこの場を去るようにまくし立てます。
「クリフトは興味ねーのかよ」
ステテコパンツ装備対象外の同じ若者。いくら神官とはいえ、年頃の男としてパフパフに興味がないとは信じられません。
「ホントはパフパフしたいだろ?」
ソロは訝しげに長身のクリフトを覗き込むと、彼は既に鼻血を噴き出しているではありませんか。
「いえ、私は帰ってから姫様にして頂きますので!」
「え。お前何言って――」
「私が教えて差し上げて、
「姫様はたどたどしいお手つきながらも一生懸命になさって、ぶ、ぶはぁ!」
「ちょ、おま」
「あぁパフパフ! それは男の夢!」
「淫夢を見る不届き者めが! 貴様は何処にも帰さんわァァァアアッッッ!」
「ただひとつ、土にでも還っておけい!」
そうして老魔術師が酒場を去った後には、不夜城モンバーバラのネオン光に輝く氷のイルミネーション(しに)が空しく漂うのでした。
哀れ、氷結クリフト。
結局ソロは行けませんでした。
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