疲れるんですよ、実は(笑)。
魁!氷結クリフト
第12幕 「最期の晩餐」
キノコが全く採れなかったので、導かれし勇者一行はファミレスで済ませることにしました。
「8名様ですか……お待ちください」
大きなテーブル席へと案内されたメンバーが、それぞれ椅子にかけようとしたところ、あと一脚足りません。
店員が慌てて椅子の調達にフロアを走っていくと、混雑した店内を見回したクリフトが何か閃いたように口を開きます。
「姫様のお席はこちらでございます!」
クリフトは誰よりも早く椅子に腰掛けると、座った自分の膝元をポンポンと叩いてアリーナ姫を促しました。
「せ、席って」
「さぁさ、私の上にお座りください!」
クリフトは鼻息荒く彼女を待ちます。
「む、向かい合って座るのも騎乗位的にはアリかと!」
「ご飯食べるんだよね」
アリーナ姫が基本から教えようとクリフトを諭しますが、ハァハァと鼻血を出した彼の耳には届かないようです。
「勿論、理解っております」
クリフトは真剣な表情で彼女を見つめ、キッパリと言いました。
「あやうく結合しないように注意しないといけませんよね!!」(ハフーン)
「人類の世紀末がこの世で息をするでないわぁ! 死ねェいィィッッ!」
「死の食卓にでもついておけ!」
店員が追加の一脚を持ってきた時には既に遅く、氷の魔法使いが店の屋根を突き抜かんばかりの氷柱を完成させた後で、パーティーは神官(氷)を残して姿を消していたということです。
哀れ、氷結クリフト。
「ろくに食事もできやしねぇ」@勇者
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