このウゼー神官は、これでも美形設定です。
暁!氷結クリフト
第2弾 「やっぱ馬車でしょ」
気を取り直して。
サントハイム衆が勇者一行に仲間入りしました。
ミントスの宿屋の厩舎で休んでいたパトリシアに、ソロが馬車を引かせてくるのを見ると、ブライ老は片眉を上げて驚きの顔を見せました。
「ほう、馬車をお持ちでしたかな」
「ふふん。そうよー」
くびれた細腰に手を当てて、マーニャが得意気に言います。
(我々すら馬車など持っておらぬのに……)
(おほほほほ。優雅なものでしょ!)
なんとなくせめぎあう二人の魔法使い。
これを見たミネアとアリーナは、妙な所で張り合うものだと溜息を溢します。
「おや、馬車ではありませんか」
ブライ老と同じくアリーナ姫の従者である神官のクリフトは、これにどのような反応を示すのかと思えば、
「こ、この馬車に私と姫様が乗るだなんてっ!」
「え」 ←マーニャ
なんかまた妄想を始めているようで。
「狭い馬車の中、ふ、ふふ二人きり!!!」
戦闘に参加できるのは馬車の四面を守る4人。大所帯となった今、戦いに明け暮れていたそれぞれのメンバーに待機組が出来ることは非常に楽になるのですが、どんな計算をしてもアリーナ姫とクリフトが馬車で二人きりになることはないような。
「皆さんが外を歩く中! 戦闘の最中などっ!
「隠れ忍ぶように、しかし 激 し く 行 為 に 及 ぶ も ま た 一 興 !」
「えっ、……え?」 ←ソロ(思わず2度見)
卑猥な事など露ほど知らぬといった清廉美形の神官が、何やら凡そ外見にそぐわぬことを言っているのですが。
「馬車の振動と私の律動によって姫様はギシギシアンアンと……ぶはぁ!」
「死ねい! もう一度死んでおけいっ!」
「いや、ウチのが失礼しましたな」
「……」
ミントスの宿屋を遥かに凌ぐ高さにまで凍った氷柱を背に、老魔導師がサッサと馬車の中へと入って行くのを見ながら、ソロをはじめ勇者一行はとんでもない者達が導かれたものだと息を呑むのでした。
哀れ、氷結クリフト。
ウチのが本当にすみません@アリーナ
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