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まだレベルは3。
冒険(氷結)ははじまったばかりです。
 

 
氷結クリフトの冒険
 LV.3 「初陣」

 
 
「早速現れたわね!」
 城を出ると、一行はキリキリバッタの群れにエンカウントしました。
 これに驚喜の瞳で腕まくりをしたアリーナ姫は、自慢の拳を構えてモンスターと対峙します。
「かかってきなさい!」
「姫様、あぶな――ぶべしっ!!」
 無 駄 に 庇おうとしたクリフトが、キリキリバッタの攻撃を受けて転がりました。
 初期HPは18と、ゴミにも等しい体力しかない貧弱神官
 彼はたった一撃で瀕死状態になると、ヨロヨロとアリーナの前に倒れてしまいました。
「クリフト!」
「うおううう……姫様!」
 心配したアリーナ姫に縋りつき、クリフトは今にも死にそうな形相で言います。
「私はもうダメです。せめて死に場所を姫様の膝の上に」(ゼイゼイ)
「死ぬには早いよ!」
 クリフトはほふく前進で屈んだアリーナ姫に近寄り、その太腿に頬を乗せて続けました。
「嗚呼、このムッチリとした柔らかさ! 此処でなら死ねます!」
「ク、クリフト」
「いや寧ろここで生きたい! 姫様の太腿で!」(ハァハァ)
 鼻血を出したクリフトは頬擦りをしながらアリーナ姫の太腿を堪能します。
 そうして不可解なプラス思考により死への誘いを絶とうとしたその時、
 
 
「貴様の死に場所は今ワシが作ってやるわぁ! このド助平がァッ!」
 
 
ブライはヒャドを唱えた!
 
 
「おとなしく棺桶に納まっておれい!」
 ブライの氷呪文が炸裂し、クリフトのHPが瀕死から「しに」へと変わります。
「さぁさ行きますぞ、姫様」
「う、うん」
 アリーナ姫とキリキリバッタが見守る中、ブライは棺桶をズルズルと引っ張っていきました。
 
 
 哀れ、氷結クリフト。
 
 
 
 

RESET
 
 
 
実際はブライの方が死ぬ。

 
       

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