次はライアンを仲間にする筈が。
氷結クリフトの冒険
LV.12 「アネイル」
一行は氷結したクリフトを溶かしに湯治の町アネイルへとやってきました。
男湯に彼を投げ入れてくると言う勇者を見送り、女性陣もまた湯の憩いをと 脱衣所に向かいます。
すると、
「姫様! 露天風呂にお入りになるならば、私が見張っております!」
「ク、クリフト。いつの間に?」
凍っていた筈の神官がなにやら武装待機しているではありませんか。
「誰ぞ不埒な輩が姫様のお裸を覗くやもしれません!」
「えっ、そんな大丈夫だよ」
寧ろ今ここで一番怪しいのはクリフトだよ、とアリーナ姫は思いました。
「いいえ、ここは私に任せて、姫様はごゆるりとお湯を堪能して下さいませ!」
クリフトはアリーナ姫の白い柔肌が湯によって仄かに上気して輝く様を妄想し、鼻腔に鮮血を噴き出しました。
「タ、タオルは湯船に入れちゃいけないんですよ、」(ハァハァ)
そうして鼻息荒くアリーナ姫を見守る彼は、周囲を警戒するどころか彼女を凝視しています。
「見張るには方向が違うじゃろォ! この色ボケ神官がァッッッ!」
「貴様はずっと氷に浸かっておれい!」
そう吐き捨ててブライ老が去った後には、勇者ソロが仕方なしに氷柱となったクリフトを抱えて男湯に戻っていきました。
「ここのセキュリティーは 最 低 ね」
マーニャが頭を抱えて言いました。
哀れ、氷結クリフト。
勇者が被害者すぎる(涙)。
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