いつクリアできるんだろう。
氷結クリフトの冒険
LV.20 「天空の塔」
いろいろあって、天空の塔に昇ることになりました。
「し、下を見るからダメなんです」
この標高、世界樹とは比べ物になりません。
雲より高く突き抜ける塔の中腹、既に地上に落ちれば肉体の欠片も残らぬほどの高さまでやってまいりました。
「上を見ていれば、こここ怖くない筈です」
まるで呪文のように唱えながら、高所恐怖症のクリフトは思わず下を見そうになる顔をぶんぶんと振って天空を見上げました。
「上を、上を……って、はぁっ!!!」
ちょうど梯子階段を上っていたクリフトの視界に、先行していたアリーナ姫の姿が映されます。
「ひ、ひひひ姫様のスカートの中が、み、み見える!」
梯子に脚をかけたアリーナ姫のスカートは、強い風にあおられてヒラヒラと揺れ、絶対領域の中の魅惑エリアを惜しげなく晒しています。
「あぁ、姫様のおパンツが拝めようとは(ハァハァ)……これぞ絶景!」
クリフトはあまりの高所に青ざめた顔に一縷の光を灯して叫びました。
「神官クリフト、地獄の窮地に 極 楽 を見たりっ!!!」
手すりから離れなかった手を放し、力強くガッツポーズをキメるクリフトは、まるでK−2の登頂に成功した登山家の如く歓喜に満ち溢れていました。
彼の悦びの声が天高くこだましたその時、
「そこを動くなクサレ外道がァァッッッ!」
「柱となって永遠に天空を支えておれい!」
「ピ、ピンクのストライ……がくっ!」
そうしてクリフトは天を貫く氷の柱(しに)となり、天空の城に辿り着くことはありませんでした。
哀れ、氷結クリフト。
パンチラで憤死。
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